作業は大きく4段階です。
このうち、仕上がりを左右するのは1番目です。準備が整っていれば、変換は自動化できます。
いちばん重要で、いちばん見落とされがちなのがここです。
EPUBのページ順は、ファイル名の並び順で決まります。 つまりファイル名の付け方を間違えると、ページが入れ替わります。
コンピューターは文字として並べ替えるため、桁を揃えていないと「10」が「2」より前に来ます。ページ数に応じて桁を揃えた連番にしてください。100ページを超えるなら3桁、1000ページを超えるなら4桁です。
001_表紙.jpg のように、連番のあとに説明を付けるのは問題ありません。先頭が桁の揃った数字であることが守られていれば、並び順は安定します。
EPUBで一般的に使われる画像形式は次の通りです。
| 形式 | 向いている用途 | 注意点 |
|---|---|---|
| JPEG | 写真・カラーイラスト | 圧縮率を上げすぎると劣化する |
| PNG | 線画・文字が多い画像 | 容量が大きくなりやすい |
| WebP | 容量を抑えたい場合 | 読書アプリの対応状況を要確認 |
マンガの本文なら、モノクロ主体でもJPEGで十分な場合が多いですが、細い線が多い絵柄ではPNGのほうが綺麗に見えることがあります。表紙だけPNG、本文はJPEGという使い分けも一般的です。
解像度は「大きければ良い」というものではありません。大きすぎると容量が膨らみ、読書アプリの動作が重くなります。
日本のマンガは右から左へ読み進めます。この指定を忘れると、ページをめくる方向が逆になります。
EPUBでは、この設定を content.opf というファイルの中に記述します。
| 設定値 | 意味 | 使う本 |
|---|---|---|
rtl | 右から左 | 日本のマンガ・縦書き |
ltr | 左から右 | 横書き・洋書スタイル |
変換ツールを使う場合は「右綴じ/左綴じ」といった選択肢で表示されることがほとんどです。ここを選び間違えると、読者は最終ページから読み始めることになります。
マンガでは、2ページを1枚の絵として使う「見開き」がよく登場します。EPUBでこれを扱う方法は2つあります。
見開きの絵を中央で切り、2枚の画像として順番に入れます。どの環境でも確実にページとして扱われるのが利点です。読書アプリが横向き表示に対応していれば、自動的に並んで表示されます。
横長の画像を1ページとして入れます。絵は切れませんが、縦向きの画面では小さく表示されることになります。
実用上は方法1(分割)が無難です。読書アプリが見開きをどう並べるかは実装によって差があり、意図した通りに揃うとは限らないためです。作品として絵を切りたくない場合のみ、方法2を検討してください。
画像EPUBは、どうしても容量が大きくなります。200ページのマンガなら、数十メガバイトになることも珍しくありません。
容量が大きいと、次のような影響が出ます。
対策は、解像度を必要十分に抑えることに尽きます。印刷用の高解像度データをそのまま入れると、読者にとって不便なだけで、画面上の見え方はほとんど変わりません。
変換が終わったら、必ず表示を確認してください。見るべき点は決まっています。
とくにKindleで配信する予定があるなら、Amazonが配布している確認用ソフトでの検証が欠かせません。 Amazonは取り込んだEPUBを自社形式に変換するため、手元のEPUBリーダーでの見え方と一致するとは限らないためです。