EPUB工房に、作ったEPUBファイルの問題を見つける機能「EPUB診断」を追加しました。ファイルを選ぶだけで、縦書きの設定漏れ・ふりがなの変換ミス・数字の向きといった問題を洗い出し、読者の環境で何が起きるのか・どう直すのかまで日本語でお伝えします。他のツールで作ったEPUBもそのまま診断できます。
EPUBには EPUBCheck という公式の検証ツールがあります。ただ、これが見ているのは「規格に違反していないか」であって、「読者にどう見えるか」ではありません。
実際に、こういうことが起きました。
EPUB工房で生成したファイルを EPUBCheck 5.1.0 にかけたところ、エラーも警告も出ませんでした。ところが同じファイルをKindleで開くと、「8月」の「8」だけが横に倒れて表示されていました。規格としては何も間違っていません。それでも読者には、作りかけのファイルに見えます。
EPUB診断が見るのは、この「規格上は正しいのに、読者には問題がある」領域だけです。規格そのものの検証を自前で作り直しても本家の劣化版にしかならないので、そこには手を出していません。EPUBCheckの代わりではなく、EPUBCheckが見ていないところを補うものだとお考えください。
見つかった項目は「要修正」と「確認推奨」に分けて表示します。それぞれについて、何が起きているか・読者にはどう見えるか・どう直すかの3つを書いています。結果はテキストファイルとして保存できるので、作業メモや相談用にお使いいただけます。
診断ツールにとって一番まずいのは、正しいものを「間違っている」と言うことです。一度それをやると、以降の指摘が信じられなくなります。
そのため、先に本の性質(縦書きか横書きか、文字の本か画像の本か)を判定してから、当てはまるルールだけを走らせています。横書きの本に「縦書きの指定がありません」と出ることはありません。
たとえば3桁以上の半角数字に縦中横が付いていなくても、指摘しません。縦中横は2桁までとするのが日本語組版の作法だからです。判断に迷う項目は「要修正」ではなく「確認推奨」に落としています。
また、チェックした項目数と、その本には当てはまらないため実行しなかった項目数を、結果画面に必ず出しています。何を見て何を見ていないかを隠さないためです。
変換機能と同じく、診断もすべてブラウザの中で完結します。EPUBファイルが運営者のサーバーへ送信・保存されることは一切ありません。他の方の原稿をお預かりする機能なので、この点は変換以上に大切だと考えています。
診断結果に出てくる項目のいくつかは、解説記事へのリンクが付いています。指摘の意味が分からないときは、そこから読み進められます。
「これは指摘しないでほしい」「この項目も見てほしい」といったご意見をお待ちしています。とくに、正しいものを誤って指摘していた場合はぜひお知らせください。優先して直します。
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