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作り方

EPUBでのルビの入れ方
ふりがなを正しく表示させる

小説をEPUBにするとき、ほぼ必ず必要になるのがルビ(ふりがな)です。EPUB 3では標準機能として使えますが、原稿の書き方から出力の形式まで、いくつか押さえておくべき点があります。この記事では、ルビの仕組みと、実際の原稿での書き方を解説します。
この記事の内容
  1. EPUBのルビは HTML の機能
  2. 原稿ではどう書くか(青空文庫記法)
  3. 親文字の範囲を指定する
  4. モノルビとグループルビ
  5. 縦書きでの注意点
  6. つまずきやすいところ

EPUBのルビは HTML の機能

EPUBの本文はHTMLで書かれています。ルビもHTMLの標準機能をそのまま使います。

<ruby>漢字<rt>かんじ</rt></ruby>

これで、こう表示されます。

漢字かんじ 実際の表示例

タグの意味はシンプルです。

タグ役割
<ruby>ルビをふる範囲全体を囲む
<rt>ふりがな本体(ruby text)
<rp>ルビ非対応の環境向けの代替表示(省略可)

ルビが使えるのはEPUB 3からです。 EPUB 2の時代には日本語のルビを標準的に表現する手段がなく、これがEPUB 3で日本語書籍が扱えるようになった大きな理由のひとつでした。

原稿ではどう書くか(青空文庫記法)

とはいえ、小説を書くときに毎回 <ruby> タグを打つのは現実的ではありません。そこで使われるのが、青空文庫記法です。

漢字《かんじ》

二重山括弧で囲むだけです。この形式は青空文庫の入力ルールとして長く使われてきたもので、日本の小説家にとって最も馴染みのある書き方です。多くのEPUB作成ツールがこの記法に対応しています。

なぜこの記法が広く使われるのか

テキストエディタで普通に書けて、原稿のまま読んでも意味が通り、特別なソフトを必要としないためです。原稿の可搬性が高く、ツールを乗り換えても書き直しが発生しません。

親文字の範囲を指定する

青空文庫記法には、ひとつ重要な決まりがあります。どこからルビをふるかを示す縦棒です。

// 漢字の直前までが自動的に親文字になる
今日《きょう》は晴れだ

// ひらがなやカタカナにルビをふる場合は縦棒が必要
|そら《・・》を見上げる

// 範囲を限定したい場合にも使う
昨日の|今日《きょう》

漢字の並びにルビをふる場合は、ツールが自動で範囲を判断してくれます。しかしひらがな・カタカナ・英数字にルビをふる場合や、漢字の一部だけにふりたい場合は、縦棒(|)で開始位置を明示します。

これを忘れると、意図しない範囲にルビがかかったり、逆にルビが認識されず記号がそのまま本文に残ったりします。

モノルビとグループルビ

日本語の組版では、ルビのかけ方に2種類あります。

種類意味
モノルビ一文字ずつ対応させる山(やま)+田(だ)
グループルビまとまりに対してふる山田(やまだ)

「今日(きょう)」のように、一文字ずつには分けられない読みはグループルビになります。一方で人名などは、一文字ずつ対応させたほうが自然に見える場合があります。

// グループルビ(まとめて)
<ruby>今日<rt>きょう</rt></ruby>

// モノルビ(一文字ずつ)
<ruby>山<rt>やま</rt></ruby><ruby>田<rt>だ</rt></ruby>

実務上は、ほとんどの場合グループルビで問題ありません。 厳密な組版が求められる場面以外で、モノルビにこだわる必要はほぼないと考えてよいと思います。

縦書きでの注意点

縦書きの本では、ルビは文字の右側に表示されます。横書きなら上側です。これはブラウザや読書アプリが、縦書き指定に応じて自動的に切り替えてくれます。

ただし、いくつか気をつける点があります。

つまずきやすいところ

記号がそのまま本文に出てしまう

出来上がったEPUBを開いたら、本文に 《》 がそのまま表示されている——よくある失敗です。原因は、使ったツールがその記法に対応していないか、縦棒の指定が正しくないかのどちらかです。

原稿を変換する前に、そのツールがどの記法に対応しているかを確認してください。

ツールごとに記法が違う

青空文庫記法が最も普及していますが、ツールによっては独自の記法を採用している場合があります。原稿を書き始める前に、使うツールの記法を確認しておくと、後から全文を書き直す事態を避けられます。

読書アプリによって見え方が変わる

ルビの大きさや位置は、読書アプリの実装によって微妙に異なります。手元の環境で綺麗に見えても、別の端末では詰まって見えることがあります。 配信先が決まっているなら、その環境で確認するのが確実です。

Kindleで出す場合

Amazonは取り込んだEPUBを自社形式に変換します。変換後の表示は、手元のEPUBリーダーでの見え方と一致するとは限りません。 Kindleでの配信を予定しているなら、Amazonが配布している確認用ソフトで実際の見え方を確かめてください。

青空文庫記法に対応しています

EPUB工房は、青空文庫記法で書かれた原稿をそのまま読み込んで、ルビ付きのEPUBに変換します。会員登録もインストールも不要です。

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