いちばん多い症状です。原稿に書いた 漢字《かんじ》 の記号が、変換されずにそのまま表示されている状態です。
EPUB作成ツールによって、対応している記法は異なります。青空文庫記法に対応していないツールを使っていると、記号はただの文字として扱われます。
使っているツールのヘルプで、ルビの書き方を確認してください。ツールごとに独自の記法を採用している場合があります。
青空文庫記法では、漢字の直前までが自動的に親文字になります。 逆に言うと、ひらがなやカタカナには自動で適用されません。
ひらがな・カタカナ・英数字にルビをふるときは、縦棒(|)で開始位置を明示してください。
使う記号は全角の | です。半角の | では認識されないツールがあります。原稿を書くときは注意してください。
青空文庫記法で使うのは、二重山括弧 《 》 です。山括弧 〈 〉 や不等号 < > では認識されません。 見た目が似ているので、意外と間違えやすい部分です。
ほとんどのルビは出ているのに、特定の箇所だけ出ない、という状態です。
症状1の原因Bと同じです。漢字にはルビが付いているのに、ひらがなだけ付いていないという場合は、縦棒の付け忘れを疑ってください。
《 はあるのに 》 がない、という書き間違いがあると、そこから先の処理が崩れることがあります。原稿を検索して、開き括弧と閉じ括弧の数が一致しているかを確認してください。
ルビの部分に 《 や | が入っていると、処理が混乱します。傍点の代わりに記号を並べる場合は、・(中黒)など、記法と衝突しない文字を使ってください。
ルビは出ているものの、意図した文字ではないところにかかっている状態です。
青空文庫記法は「漢字が続く限り、さかのぼって親文字にする」という動きをします。そのため、直前の漢字まで巻き込むことがあります。
これも縦棒で解決できます。迷ったら縦棒を付ける、と覚えておくと安全です。
「山田」に「やまだ」とふりたいのに、「山」と「田」に分かれてしまう場合があります。これはモノルビ(一文字ずつ)とグループルビ(まとめて)の違いによるものです。
まとめてふりたい場合は、縦棒で範囲を指定してください。
手元のリーダーでは綺麗に見えるのに、別の環境では詰まって見える、位置がずれる、といった症状です。
ルビの大きさや位置は、読書アプリの実装によって差があります。 完全に同じ見た目にすることはできません。ある程度の差は許容する必要があります。
Amazonは取り込んだEPUBを自社形式に変換します。変換後の表示は、手元のEPUBリーダーでの見え方と一致するとは限りません。
Kindleで配信する予定があるなら、Amazonが配布している確認用ソフト(Kindle Previewer)で必ず確認してください。
親文字よりルビが長い場合、前後の文字にはみ出したり、文字間が広がったりします。これは組版の仕組み上どうしても起きるので、気になる場合はルビを短くするのが現実的な対処です。
ルビが入ると行の高さが変わるため、ページの区切り位置が微妙にずれることがあります。文字サイズを変えると区切りが変わるのはリフロー型の正常な挙動なので、これ自体は不具合ではありません。
原因を切り分ける順番は、これが効率的です。
| 順 | 確認すること |
|---|---|
| 1 | 原稿の記法が、使っているツールに対応しているか |
| 2 | ひらがな・カタカナに縦棒(|)を付けているか |
| 3 | 括弧が 《 》 になっているか(〈 〉 ではないか) |
| 4 | 開き括弧と閉じ括弧の数が合っているか |
| 5 | 生成後のファイルで <ruby> タグになっているか |
5番の確認方法は、EPUBファイルの拡張子を .zip に変えて解凍し、本文のXHTMLをテキストエディタで開くだけです。
ここで <ruby> になっていれば、原稿とツールの問題ではなく、表示側の問題です。 逆に記号のまま残っていれば、原稿か記法の問題です。この切り分けができれば、あとは早いはずです。